大数の法則とは その具体的な意味と注意点

パチンコスロットに限らずあらゆる分野で大数の法則は欠かすことができません。

機械割も、小役の出現率もすべて大数の法則のうえに成り立っています。

今回は、そんな大数の法則(たいすうのほうそく:Law of Large Numbers)について解説します。

※ちょっと数学的な話をします。

大数の法則とは

まずは、数式的な意味での大数の法則を見ていきましょう。

互いに独立な確率変数 X1,X2,,Xnが母平均 μ 母分散 σ2の同一の確率分布に従うとき、 その標本平均 X¯(n)=X1+X2++Xnと任意の正の定数 ϵについて

【大数の弱法則】

limnP(|X¯(n)μ|<ϵ)=1limn→∞P(|X¯(n)−μ|<ϵ)=1

【大数の強法則】

P(limnX¯(n)=μ)=1P(limn→∞X¯(n)=μ)=1

が成り立つ。

nを限りなく大きくすれば、「標本平均 X¯(n)が母平均 μに限りなく近づく確率」は限りなく100%に近づく(確率収束する)というのが弱法則。

nを限りなく大きくすれば、必ず標本平均 X¯(n) は母平均 μに限りなく近づく(概収束する)というのが強法則です。

まぁ本当にここまではただの暗号ですよね笑

いずれにしても、「同一の試行を無限回行えば標本平均は母平均に収束する」というのが大数の法則の意味するところです。

たとえば、偏りのないコインを無限回投げれば、表が出た割合は 1/2に限りなく近づき

偏りのないサイコロを無限回投げれば、出た目の平均は 3.5に限りなく近づく

という感じですね。

具体的にどういうことか?

ただ、ここまではあくまでも「無限回試行したら」という理論的な話です。

実際には無限回試行することはできないので、一般には「現実的に可能な試行回数の範囲内ではどうなるか」に関する以下のような意味で「大数の法則」という言葉が使われています。

【広い意味での大数の法則】

試行回数(サンプルサイズ) n が大きければ大きいほど、その標本平均 X¯(n)は極端な値をとる確率が低くなっていき、母平均 μに近い値をとる確率が高くなっていく。

例えば、「表が出る確率が 50% のコインを n回投げて表が出た割合は 0.5 からどのくらい離れた値になるものなのか?」を考えてみましょう。

i 回目のコイン投げで表が出たら1・裏が出たら0をとる確率変数をXiとおきます。

すると、その標本平均 X¯(n)=X1+X2++Xnコインを n 回投げて表が出る割合に一致し、コインを n回投げて表が出る割合の母平均は μ=0.5となります。

これを先ほどの大数の法則に当てはめると、こうなります。

【コイン投げにおける大数の法則】

試行回数 n が大きければ大きいほど、コインを n 回投げて表が出る割合 X¯(n) は 0.5から離れた値をとる確率が低くなっていき、0.5に近い値をとる確率が高くなっていく。

下の表は、コインを n回投げた時の「表が出る割合と母平均の差(絶対値)」の確率の分布です。

一番左上の「0.0796」というのは「コインを n=100回投げた時に、表が出る割合と 0.5の差が 0以上 0.01未満になる確率が 7.96である」という事を意味しています。

 

黄色い部分を見比べれば、試行回数を増やしていけば「コインをn回投げて表が出る割合 X¯(n) 」が 0.5から離れた値をとる確率が低くなっていくこと

青い部分を見比べれば、試行回数を増やしていけば「コインをn回投げて表が出る割合 X¯(n) 」が 0.5近い値をとる確率が高くなっていくことが分かりますね。

この事実を指しているのが、「大数の法則」です。

収束速度は遅い

大数の法則を扱うときは、1つ注意点があります。

それは、収束速度の遅さです。

先の確率の分布表をもう一度よく読んでみてください。

「コインを1600回も投げても、表の出る割合と母平均の差が 0.01 以上になる確率がまだ約44% もある」ということが分かりますよね。

このように、大数の法則はそこまで強い法則ではありません

大数の法則はすぐに近似できるほど強い収束ではなく、「極端な値を取りにくくなっていく」くらいのふんわりとした収束であるということを覚えておいてください。

つまりジャグラーの設定6をぶん回していたらボーナス合算確率は設定6のそれからかけ離れた数字にはなりにくいということです。

よく「近似値になる」という人がいますが、間違ってはいませんが、この大数の法則自体強い根拠にはなりえないということです。

※この収縮速度については別の記事で解説します。

発想の逆転

大数の法則は、それをひっくり返して考えると、また違った事実が見えてきます。

「サンプルサイズが大きければ大きいほど、極端な値をとる確率が低くなっていく」

ということは、裏を返せば

「サンプルサイズが小さい方が、より極端な値をとる確率が高い」

ということでもあります。

これが意味するところは何か?

よく新台解析などで実践値というものがあります。

最近であればHEY!鏡の次々回予告発生率。

でちゃう!が次々回予告は高設定でしか確認できなかった!

という情報を載せてましたが、これこそまさにこの例ですね。

そもそも新台実践でサンプル数が少ない、上に解析が出た後にボーナス成立時のレベルでATを選択するのが設定6でも約3%しかないわけですから。

それでたかだかボーナス数十回引いたくらいで、設定差がある!とはなるわけないんです。

つまりここには「鏡の情報で次々回予告は高設定でしか出ない!という情報を出すことで、潜在的に偏った値を取りやすいにも関わらず、人はそれが偶然によってもたらされたものではなく、何か意味があると錯覚してしまう」というバイアスが存在するんです。

要はメーカーとホールの・・・

まぁそれは事実なんですけども、ここの部分を考慮して発表してほしいですよね。

まとめ

パチンコ、スロットにおいてこの大数の法則というのは切っても切れない関係ですが、

実際問題この法則自体はそこまで強くない法則です。

1600回コインを投げても44%で0.01以上確率がかけ離れるわけです。

0.01となると16回ですね。

凱旋の天井のループストックで考えると1600回凱旋の天井引いてもループストックを引けてる人と引けない人との差が生まれます笑

なので、そもそも「収束」という言葉自体がパチンコスロットユーザーのある意味依り代みたいな言葉でもあり、

ある種魔法の言葉というわけですね笑

ということで、「収束」という言葉との向き合い方はつかず離れずというのが良いのかもしれませんね。

今回はここまでです。


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